ウォーターポンプを点検する際、ウォーターポンプのリザーバーにある色のついた染みに惑わされるかもしれません。この染みは、往々にしてクーラント漏れの疑いがありますが、これが自然な漏れではないことを確認する必要があります。漏れが自然なものかを確認する方法は、幾つかあります。整備士の方であれば、一番簡単なのは、Mityvac社のクーリングシステムテスト&リフィルキットMV4525などの圧力テスターを使用する方法です。この特許取得済みの新技術では、圧力、バキュームおよび温度のテストと監視を同時に行うことができ、単純な圧力テスターの能力を遥かに超えたリアルタイムデータが提供されます。
冷却システムへ充填後、最終的な目視点検を実施し、漏れがないことを確認します。ウォーターポンプが新品の場合、ポンプ内部のメカニカルシールが適切に密封するまで10分ほどの稼働(ならし期間)が必要なため、ブリードポートから微小に滲み出すのは問題ありません。しかし、ならし期間の後にブリードポートから多くの滲みや滴下があったり、取付け面からの漏れがある場合は不具合であり、部品不良や取付け不良があることを示しています。漏れには、エンジンが冷えている場合に見られるものと、エンジンが熱い時に見られるものがあることに留意が必要です。
大部分の場合、ウォーターポンプの不具合は、目に見えない問題が根本にあります。腐食やカルシウム沈着があると、炭化ケイ素シールのシール面が損傷する場合があります。また、ウォーターポンプが正常に機能するために不可欠な、「ウェット」の部分と「ドライ」の部分間の密封ができなくなります。
冷却システムの清浄度と、蒸留水と濃縮冷却液が適切に混合されているかどうかが、ウォーターポンプシールの寿命とその正常な機能に対する重要な決めてとなります。抑制剤の寿命はさまざまで、冷却システムの設計やメンテナンス間隔により、2年から5年の幅があります。混合液が適切でなかったり、清浄な状態に見えるからと液を交換しなかったりすると、抑制剤が不足して、腐食が起こったり、システム内に不純物が混入したりするリスクが生じます。クーラント内の腐食やカルシウム沈着を防ぐための抑制剤が不足すると、目に見えない敵となります。
混合冷却液に表示されている基準が、車両メーカーの要求する基準と一致しているか確認することも重要です。適切な混合比を選択する際は、混合冷却液の色を目安にすることもできますが、使用した混合液により抑制剤の寿命が大きく変わる場合があります。
理想的な混合冷却液は、車両メーカーによって指定されています。冷却システムへのカルシウム沈着を防止するには、蒸留水を使用することが重要です。
目に見えない敵によってウォーターポンプが損傷したり、取付けが台無しにされたりしないようにしましょう。